ヨガ八支則 2段階目ニヤマの規則「スヴァディアーヤ」

八支則の「ニヤマ(個人的に守るべき規則)」の4つ目は「スヴァディアーヤ(聖典での学び)」です。

 

私たち人間は、よく他人を分析します。「この人は〇〇なタイプ」「あの人は〇〇な人だから。」というように。
そうやって他人のことはよく観察したり分析したりするのに、自分のことはよくわかっていないことが多いですよね。

 

これまでお話したように、ヨガの目標は「自分と周囲が溶け合う、周りと融合した状態になる」ことです。
そこに至るまでの段階として八支則があり、そこで自分の本質や魂を理解していきます。
今回お話しする「スヴァディアーヤ(聖典での学び)」は、自己を分析し、前向きに成長していくことです。
そのために聖書や古典などのよい本を読んだり、偉人の言葉から学んだりして、あなたの考え方や行動の「基準」としてほしいのです。

 

自己分析というと、「私は〇〇なところがいい」「私の欠点は〇〇」のように、「自分から見て」という観点でやっていませんか?
実はこれではダメなのです。なぜなら、これは自分の価値観を基準にした分析だから。そうではなく客観的に自分自身を分析してください。

 

例えば、次の話を聞いた時、あなたはどう思いますか?

 

お金にすごく困っているお母さんがパンを万引きして、お腹をすかせた自分の子どもに食べさせました。
あなたは母親の行動は正しいと思いますか、間違っていると思いますか?

 

感情を重視する人だったら、「子どものためにしたことだから、正しい行動だ」と言うかもしれません。
「どういう理由であっても、法律は守らなければいけない」という信念を持っている人は、「このお母さんがしたことは間違っている」と思うでしょう。
同じ一つの出来事を見ても、このように人によって捉え方が変わりますね。

 

あなたは自分の言動が正しいのかどうか、わからなくなったときはどうしますか?
お父さんやお母さん、先生や友だちに話して、正しいかどうか判断してもらいますか?
ネットで不特定多数の人に、訊ねる場合もあるかもしれません。
これなら、自分が判断したわけではないから客観的だ、と思われるかもしれませんが、実はこれではまだダメなのです。

 

あなたの周りの人たちが下した判断は、その人の基準によるもの。
そして、その基準は、その人がどんな考え方や価値観を持っているかによって変わってくるからです。
考え方や価値観は、その人がこれまで経験してきた出来事や人間関係で築きあげられるものなので、人によって判断が違ってくるのは当たり前のことです。
けれど、普段のあなたの判断や行動の基準は、意外なほど周囲の人たちの影響を受けていることに気づくと思います。

 

私の場合は、「パタンジャリ・ヨガ・スートラ」を基準にしています。
パタンジャリというインドの学者が書いた、インド哲学の経典のひとつです。
これまでお話ししている八支則は、「パタンジャリ・ヨガ・スートラ」の中に書かれていることなのです。
なぜ、私がこれを基準にしているのかと言うと、私が目指すヨガの境地に達することができた人――先人の考え方だからです。

 

宗教を信仰している人は、その宗教で使われている聖書や経典に基準が見つかるかもしれません。
特に宗教を持たない方でも、古典と言われる本、いろいろな知識、学問、先人たちの言葉などに触れてみてください。
きっと、あなたをよい方向へ導いてくれるはずです。

yogi vini