あなたの「いま」の心を知る


 

ヨガの哲学を説いた「パタンジャリ・ヨガ・スートラ」。
その中に書かれている八支則の「ニヤマ」というのは「個人的に守るべき規則」で、その守るべき規則の一つが「サントーシャ」です。

 

「サントーシャ」を日本語に訳すと、「知足(足るを知る)」。
老子や禅の言葉にも出てきますね。
「いま、自分自身が持っているものに満足しましょう」ということです。

 

この「いま」というのが重要です。
将来はまだきていませんし、過去はもう過ぎたもの。
過去を振り返って、(あのとき、すごく幸せだったな)と思うこともあるでしょう。
その幸せだった過去を思い出して、幸せな気持ちになるかもしれませんが、裏返すと、いまが幸せじゃない、ということになるのです。

 

そんなことはない! と言う人もいるかもしれませんね。過去を思い出したことで「いま」は幸せな気分になっているのですから。
でも、それはもう過ぎてしまった幸せを、いまの幸せだと誤解しているだけなのです。

 

アレがあったら幸せなのになぁ、と思うことはありませんか?
いまの仕事を辞めて、あの仕事ができたら幸せだろうなぁ。
この人と別れて、あの人と一緒になれたら幸せだろうなぁ。
アレが手に入ったら、私は幸せだろうなぁ――というふうに。

 

こんなふうに、「将来、幸せになるだろう」と考えるのは、(いまのままの自分が不幸だ)と、心のどこかで思っているからではないでしょうか?

 

「いま」幸せを感じていない人は、いつまでも幸せになれないと私は思います。
なぜかというと、幸せを感じる・感じない、というのは心の持ちようで変わるからです。

 

例えば、あなたは大好きなカレと一緒にいるだけで幸せだとします。
その日も楽しくデートをして、(ああ、とっても幸せ)と思っていたのに、別れ際にカレの携帯を何気なく見てしまった。
すると、女性から「待ってるね」なんてメールが入っていたのです。
その瞬間、あなたはすごく不幸になりました。
私は騙されていた、二股をかけられていた、と腹を立てたり、悲しくなるからです。

 

その女性とカレがどんな関係で、彼女がどんな状況、どんな気持ちで「待ってるね」と送ったのかもわからないのに、(私はすごく不幸だ!)と考え始める。
さっきまで、すごく幸せだと思っていたのに。
こんなふうに同じ人と一緒にいても、幸せだったり不幸だったりする。
同じ状況で心がコロコロ変わるのですから、本当は幸せや不幸なんてものはないのです。

 

あなたが幸せになるために必要なのは、自分の心をコントロールすることです。
コントロールできないから、環境や状況が変わったときにすぐ不幸だと感じてしまうのです。
そして、コントロールするためには、心を理解しなければいけない。
それも、「いま」の心を。

 

「いま」を生きている私たちが感じる幸せや不幸は、「いま」のものです。
いま、あなたが持っているものを一つずつ確認してみてください。
その中に幸せがきっとあるはずです。
それが「足るを知る」――サントーシャなのです。

 

yogi vini